『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2006年07月21日(金) わがままなうたをこの手に。

ぶりかえしたものを
痛みや涙やくるしさや、そんなものを
つつみこむように湯舟のなか
うずくまる

胎内、羊水、それは
ほんとうに言われるほど
やさしいものだったの

ぼくにはわからず
陸にあがったばかりの人魚が
捕われたよな違和感をもって
からだを見下ろして

つつみこむ、音
以前にあいした、音
愛なんかではたりなかった
わたしの一部を
部屋のなかに満たして

脳髄のやわらかいところまで、この愛でいっぱいになればいい
痛みや涙やくるしさや
そんなものを、消すように

こわがりながら手をのばすの
まだ、消えるのは早いから
あなたに逢ってはいないから
好きと伝えていないから
この声で

わたしはこわがり
わたしは臆病
でも
ささやかに、諦めたくないことはあるよ
歌声につつまれながら
ふるいおこす、気持ち
ドアを開けて靴をはいて
その海を、たずねていく勇気

ザンサイアン。

八月、
無防備な冒険者になって
あたし
あなたの歌を聴きに行く。
かなしい今だから
転びそうな今だから

祈るように夜
溢れるおひさま
待ってて


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