『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2006年07月25日(火) 約束。

飼っているひとが
巣くっているひとが
あばれはじめた

喪失感を喰らう
傷をもとめて
声にならない、さけびは無音

やいばが呼んでる
いやだとあらがえば
おまえの一部をよこせとか
昔語りの魔法使いのようなこと
言い放って、笑い

……真夜中の攻防、朝までつづく

あたしがなくしたのは長い髪
あなたが得たのは、なに?
うまく逃げ出そうとしてた奴に爪ひっかけてひきずり戻した
その獲物一匹ですか

血は、あげないよ
あげないんだから
抵抗でからだギシギシにさせながらただ
めのまえの刃を睨む

いつもいつも、圧倒的にあなたは有利でした
遠くはなれてもまだ、足りませんでした
さまざまに、うしなったぶんだけ揺れ動くこの
ぼくそのものが、悪いのだけど

…愛してる?
…うん、愛してる
…愛してる?
…もう愛してない

…あたしはまだ、愛してた。

そして力をとりもどす
あたしのなかの、たくさんのひと


・・・・・・・・・・

ほしいものはたくさんあるの
だけど手に入らないのは
消えないよという、約束だった
破られつづける、約束だった

朝がくる。


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