『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2006年09月13日(水) memo + autumn drop

寒くなると
指先が、ぬくもりを恋しがる。

それをわたしは
編み物の季節だと理解する。

急に訪れすぎたさむさはなまくらなナイフ、
無表情でこちらをみている、隙だらけのここを。

この窓を開けて
どうして
飛び出してはいけないのかとばくぜんと考え
健全なわたしが
いけなくてあたりまえでしょう、と
電灯のもとでささやいた。

・・・・・・・・・・

通院、
先週から病院にばかり行っているような気がして
それは嘘でもなく、
今日は皮膚科、それなりのヘルペス発症。
試験前で授業に注ぐエネルギーがいつもよりもずっと多いよ疲れたよと
感じていたことがきっとそのまま
ほんとうだったんだろう、と思う。
そうしてごはんが食べられない。

部位が背中なもので自分じゃ見えず
カンで薬を塗ってみたりする、あー
これでほんとに大丈夫なのか。

お医者は私の顔を見ていった
「垢がない!」
……そうですか洗いすぎですか。
「そう!」
ヨワヨワかつ病的乾燥肌の身には
ふつうなら睨まれる垢だって
じぶんのからだをまもるバリアーになるんだよ。
ただ常に汚い、とか
そういう話じゃあ、なくって。

大きな錠剤をもらって帰る。
試験が終わるまでは、せんせい、
倒れるわけにいかない。
あと一人残っているんだよ
受け持ちの生徒くんの期末テスト。

……だから、踏ん張らなくてはいけません。

・・・・・・・・・・

このすずしさのなかで
つめたさのなかで
誰かを追いつめるのも傷つけるのも
とてつもなく簡単だと空っぽ涙で思った日。

あたしは泣かない。
去年もう
さんざん泣いた。
切りつけられる驚きはもう
一度きりで、十分で。

ともだちでいたなら一生いっしょにいられると
考えていたこの甘ちゃんを笑ってやってください。
もう私なんて要らないと
その結論につっぱしる、この機構を。
そうしてそれがあながち間違いじゃないことも。

指先から少しずつひえていくのは
気温だけではないらしいから

叩きつぶした夢を
拾い上げたりはしないで
ちゃんと、ちゃんと、
一人で歩いていこうよ。

……でも、まだ、
片足なくしたようでうまくあるけない。
転んでも転んでも、どうして
SOSをさけぶひとがきえてしまったのか
まだ、うまくわからない。


ぼんやりと視界が揺れていた。


9月13日、Ma.i


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