『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2006年09月22日(金) とかげ、味のない水

みうしなったもの
読み掛けだった文庫本
季節
いたみに、負けなかったジョーネツ
自制心
笑いかたと言葉
だれか、
あいしていたひと

睡眠がへたになってからどれくらいたつかなあと
数える気はあまり起きないまま外のほうをみていると
新聞屋さんがやってくる気配がする
狭い路地だから、
しかもその行き止まりにあるうちだから
どの家にどんな順序で朝の配達があるのか、だいたい
いつのまにか覚えた。

この路地に新聞を運ぶバイクは三度やってくる。
三度目、最後の一便が
いきどまりのこのうちの前に、止まるやつ

おふとんにくぎづけで何日か経ち
頭がすっかり霞がかってしまった
あがいても醒めない夢とか、そういうのに似ている。
おかしいとわからないで道を外れること

よしもとばなな、の「とかげ」を取り上げて読みはじめたから
ああそうか疲労しているんだなと気がついたりする。
ほとんど、身になじんだ本でしか構成されていないわたしの本棚は
こういうとき、一種のリトマス試験紙。
きょうだいみたいな本しかそこにはなくて
取り出されるときはなにかの傾向があったりする

幸福
迷い
警告


つらい夢しか見ないから、気付いた
水ばかりしか飲まないから、気付いた
手に取れる物語が偏っているから、気付いた
出掛けるしたくに3時間もかかるから
約束のひとつも守れないから

たいせつ、というまろやかなかたちを思い出せないで
春も夏も秋も冬もよく、わからないみたいで
ふにゃりと、


外に行こう
3時間も5時間もかけてもいいから
あの子が待っているから
あたしの気持ちは今はいい
行こう
ねばならぬ

……それでもしも笑えたら笑えたらと
いつも、期待をしているのです

落ちてく。
気がついたからひとつ前進と
思ってみても、いいですか。


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真火 [MAIL]

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