『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2006年09月24日(日) 息づく卵。

泣きたいきもちを腕のなかにおさめて
湯船のなかに、しずめて
きょうを、おしまいにしよう。

行きすぎてはいけない。
急ぎすぎてはいけない。

あかるいひるま、
恋人、であろうひとに電話をした
あいかわらずへたくそな電話をし
何を言いたかったかさっぱりわからないまま、ただ、どんどん
かなしくなっていった日。
ひとりぼっち感が、強くなるだけだった日。

……いつでもぜんぶ
ひとりの人に抱え上げてもらおうとするのは
そもそも無理だし、まちがっている、
そうわたしは知っている。

でもほかに「でんわをかけてよいひともいない」。

せまい世界です。
背中をあててこの壁をおしひろげたとて、
やっぱりそこは、せまい世界です。
どうしてかと言えば信じないのはわたしで
何を言われても心に届かないのはわたしで
コトの元凶は
この腕のなかに、あるらしいから。

不安に支配されていること、とか
常識もなにもぶっとばして人を怖がり
信じないこと、とかがびっしり根を張って
あんまりそれが細く細かく自然なものだから
わたし、いままで自分で気づかなかった。

気づいたら苦しかった。

どっちがいいんだろうねえ。
部屋のなかのそらに向かって、思う。
ヒトリでは生きていけない。
と言って
死ぬ、という選択肢は、
絶対にえらんではならないものだと心に刻んでいて
右と左へ、亀裂の走っていく
「わたし」。

亀裂を目にみえる形にすればすこしやすらぐ。
少しだけだ。
そのときだけだ。
知っていて、かたちにあらわす
かつてまるかった、透明なたまごを腕に抱いて
やいばをそっと、つきたてる。

卵はたぶんぼうっとひかる。

今にも消えそうで消えないひかりだ。


9月24日、きみを恋しかった日。


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