2007年12月29日(土) |
やわらかすぎたせかい。 |
せかいが、あっさりと、くずれていった。 ものの一秒かそこらの出来事。
勝手な話だけど 勝手な話だけど あたし だれも、みおくりたく、なかった。 ことしは ことしこそは だあれも。
「祈っても願っても生はもっとずっと大きな手に握られているの?」
冬の、世界の、どんづまりあたりで あたしが知る 遅ればせながら あたしが知ってしまう。 いのちのなくなったこと。
「今度も、あたし、なにもしなかった。」
いままでにいなくなったみおくったひとたちが 鮮やかにたちあがって、あたしのまわりをぐるぐるまわる。
だれもだれもうしないたくはなかった ことしのさいごに
あのひとにさようならを言わなくちゃいけない。
お姉さん、だった。 あったかいを、くれた。 でも、どこを探してもいないんですね、 お姉さん。
せめて、あおぞらをたくさん おくります。 あなたが好きだったそら、 あたしの拙い写真でもよろこんで 持っていてくれたそら、 あおいそら・・・・・・ なにもなにもできなかった、ごめんなさいごめんなさい なんで。
……謝るくらいなら何かしておけばよかったんだ今畜生。
ぐらぐらと せかいがゆれて あたしが ねじふせたなにものかが 地平線の向こうに、巨大にかげをあらわしてく。
ちぎられるように消えなくちゃならないいのちなんて もう、みたくなかったんだ。
だれか。
真火
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