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2002年04月19日(金) |
ようやく一日が終わった・・・・ |
自分の部屋で伸びていると、花がやってきた。 「ここで働くんなら、お部屋も変えましょうかぁ?」 少し、意地悪な笑みを浮かべそう話し掛けてきた。 「それだけは・・・いやだ・・。」ようやくこたえた僕に 「あはは、やっぱりねぇ。結構ここのしごときついんですよう。それとも女衆と働きますか?」 そうしたって、キツイじゃないか・・そう言いたかったが言い返すほどの力も残っていないみたいだ・・。 「あれ?寝ていらっしゃる?ふふふ。」笑いながら花は部屋を出て行った。
気づいたら朝だった。僕は布団の中で天井を見ていた。 「あ、仕事・・・。」いたたたっ!!体中痛い・・・・。起きれないかも・・・。
障子が開いて番頭が入ってきた。 「おはようございます。かなりきてますねぇ。だから言ったのに。全く、旦那達はいったい何を考えていらっしゃるやら・・・。今日はゆっくり休んだ方がいいですよ。露天の掃除も終わってますから、入っていらっしゃい。」 半ばあきれた口調だが、心配してくれてたらしい。 「あ、もうお昼すぎてますからね。」障子を閉めながら、そう言って帳場の方へ歩いていったようだ。 「お風呂行こうかな・・・。」言ってみたものの、体が言う事をきかない。そこへ熊がやってきた。 「お、起きてるか。」そういって、僕を抱えると露天の方へ歩き出した。 「あ、待ってよ板長!!てぬぐい!!」と、キンキン声の花が走ってきた。 「ありがとう。」手ぬぐいを僕が受け取り、黙って、熊に連れて行ってもらう事にした。 そうして、露天に着くと何とか、立てるぐらいにはなっていた。と、言うかもう、いい加減自分でしないと恥かしい気になっていた。 「ありがと、あとはできるから・・・。」 そう言うと熊は黙ってうなづき戻っていった。ゆっくり着ているものを脱ぎ、ゆっくり歩く。 「いたたたっ!」 そうして、ゆっくり湯につかるとなんだか、痛みが引いていくようだった。生き返るってこういうことなんだろうな。 そうして結局その日は一日無駄にした・・。もったいない・・・・
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