睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜 Copyright (C) 2002-2015 Milk Mutuki. All rights reserved
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1週間ほどたって、露天で、ボケッとしていたらなんとなく、ほわっと淡いピンク色が目に入った。 「さくらかぁ〜。」
「え!!さくら!?」露天の脇に、桜が咲き出している。まだ、一つ二つと数えるほどだけど、咲き始めていた。春になるって言ってたけど本当なんだ・・・。
「咲き始めましたか?では、祭りの用意もしなくてはネェ。手伝ってくださいますか?」 「祭りって?」 「春になると結婚式がいっぺんにあるんですよ。」そう言うと、調理場のおくで板長と何か話し始めた。 「結婚式ネェ。」 実は、寝込んだ次の日から仕事は手伝っていない。足手まといらしいから・・・・ もちろんその事に付いて責められたりもしないが・・。 「花は結婚しないの?」 「へ!?」こえが裏返ってる・・・。 「急になに言うんですかぁ。」 「いや、春って結婚式多いんだろ?」 「多いですよ〜。しかも綺麗ですよォ。」もう、うっとりって顔でそう言った花は 次の瞬間、 「あたしはネェ、結婚しないんですっ。」 「なんで?」 「なんでって、どうしても!!さ、早いとこたべちゃってくださいな。」そういって、部屋を慌てた様子で出て行った。 「変なこと聞いたかな?見た目猫でも、女の子だしな・・・。あこがれたりしないのかな?」
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