睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜
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道標過去へそれから


2002年04月21日(日) 春雷が聞こえてから

1週間ほどたって、露天で、ボケッとしていたらなんとなく、ほわっと淡いピンク色が目に入った。
「さくらかぁ〜。」



「え!!さくら!?」露天の脇に、桜が咲き出している。まだ、一つ二つと数えるほどだけど、咲き始めていた。春になるって言ってたけど本当なんだ・・・。

「咲き始めましたか?では、祭りの用意もしなくてはネェ。手伝ってくださいますか?」
「祭りって?」
「春になると結婚式がいっぺんにあるんですよ。」そう言うと、調理場のおくで板長と何か話し始めた。
「結婚式ネェ。」
実は、寝込んだ次の日から仕事は手伝っていない。足手まといらしいから・・・・
もちろんその事に付いて責められたりもしないが・・。
「花は結婚しないの?」
「へ!?」こえが裏返ってる・・・。
「急になに言うんですかぁ。」
「いや、春って結婚式多いんだろ?」
「多いですよ〜。しかも綺麗ですよォ。」もう、うっとりって顔でそう言った花は
次の瞬間、
「あたしはネェ、結婚しないんですっ。」
「なんで?」
「なんでって、どうしても!!さ、早いとこたべちゃってくださいな。」そういって、部屋を慌てた様子で出て行った。
「変なこと聞いたかな?見た目猫でも、女の子だしな・・・。あこがれたりしないのかな?」


お地蔵様の資料は『ojizosan.com』を参考にさせていただきました。
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