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■ 彼故に 輝く
彼が私を
三島が自決する前夜
1970年、楯の会のメンバー五人と最後の晩餐をした
新橋の末げんに連れて行ったのは
偶然ではない。
彼の根本思想は 左傾化した日本の戦後思想に
拮抗するような 右派のそれだ。
私の友人は 押し並べてその傾向にある。
その思想的シンクロが
私と彼を結びつける決定的な要素であるといえる。
鳥割烹・末げんで
かま定食やたつた揚げをオーダーし
二人でシェアする。
美食で小食の彼は 単一のものでお腹を満たすことはしない。
定食ものもまじるランチのメニューを
ランチタイムに シェアして食べている男女の二人連れは
私たちぐらいのものだ。
彼は 全く気にするそぶりもなく
私と それらのランチメニューを 分け合う。
食にこだわりのある彼は
最適な食しかたを 言葉の端に織り込みながら
私の反応を 面白がって見ている。
愛するひとと 共に取る食事は
基本的欲求に基づくプライベートなものであるが故に
濃密で 本能に触発するような悦楽がある。
この悦楽を知ってしまうと
この人以外の人と 共に食事などしたくないという
そのレベルの 魂の解放と快感を得るのだ。
彼のエスコートなら
最高のサービスが受けられる事を知る私は
彼故に 輝くのかもしれない。
2008年12月04日(木)
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