気分刊日記

2007年05月05日(土) パンを狩る

最近、散歩のついでにその街のパン屋でパンを狩る事にしている。朝が慌ただしい我が家は朝食の95%がパンになる。調理パンや単品のパンなら急いでいる時はそのまま会社に持って行くことも可能(電車で潰れない様にするが苦労)。時間がある時は食パン系をトースターに突っ込んでバターをさっと塗って、前の日に切ってあった野菜や瓶詰めのピクルスを皿のうえでワンポンドナイフでカットしてのせ、マヨネーズをさっとかけ最後にハムを載せてガブリ!さしたる調理もせずに、洗物も皿一枚程度。

もちろん朝食の残り5%はご飯だし、私は白いご飯も大好きだ。時間のある休日は陶器の窯で炊いたふっくら炊きたてにちょっぴりおこげも食べる。卵飯や、からし明太、野沢菜、お新香、佃煮、キムチ、etc...何杯でもいける。でも、ウィークデーの朝は時間がない。ご飯は炊きたてとはいかないし、器によそって食卓に並べる余裕が無い。洗物もちょっと多い。別所哲也のグッドモーニング・トーキョーに気分を害しつつ眠気に足を取られ時間にせき立てられて家をでる私には、作業行程が多すぎる。

そんなわけで朝食の95%をより充実させるべく、ゴールデンウィークの前半、4/30は、吉祥寺に買い物に出かけた際に某所で情報をつかんだ【ダンディゾン】なるパン屋を急襲した。吉祥寺のパン屋は何軒かまわったつもりだったがこの店は今まで気付かなかった。それもそのはず、東急裏の大正通りを三鷹方面に歩いてゆき、魚屋さんの手前を右折した行き止まり道の奥。向が空き地の様な公園、1階が洋服屋の打ちっ放しの建物の半地下がお店だ。行き止まり、半地下、それに看板も殆どない(建物の向の植え込みに地味なプレートが立ててあるだけ)。

店の雰囲気は見た目ちょっと気取ったセレクトショップ的な佇まい。半地下、打ちっ放し(コンクリート剥き出し)で店内には装飾や家具も殆ど無く奥の厨房が大きなガラス戸越しに見える構造。売り場の平台に置かれたパンの熱か、はたまた奥の厨房からの熱なのか、結構ムッとする暖かさで、さながらパン焼きの竃の中に居る印象を受ける。

着いたのが夕方6時過ぎだったので、パンの種類も残り僅かだった中で、以下の2点購入。ベーシンクな食パン系のBE20は購入日の翌日まで焼かなくても保湿と弾力性がそのままで美味しいし。グリュイエルブルー(グリュイエルチーズ+ゴルゴンゾーラ)はこの店のコンセプトにもあるワインに合うパンの権化たる商品で、強烈なチーズ、それもゴルゴンゾーラの香りと味が先に立ち、ちょっと固めできめが荒い生地は、一齧りしてワインでのどを潤すのにちょうどいい。どちらもなかなかのパンだったが、まだちょっと物足りないので、後日別のパンも買ってみたい。

そして連休後半、5/5のこどもの日。間近に迫った母の日&母の誕生プレゼントに送る”DSライト”を購入するため、友人の情報をもとに朝から二つ隣の駅のスーパに並んで物を入手。結構あっさり買えたので拍子抜けしたが、この連休色々と出費がかさむ・・・。家に帰って飯喰って少しまったりしてから、昼過ぎに下北沢にふらりと出かる。

昔からよく遊んでいる街で、通勤の途中なので定期で降りれる駅なのだが、最近めっきり来ていなかった。それでも、下北商店街にできていた【mixture】も含め駅周辺のパン屋は把握しているつもりだったのだが、やはり某所での口コミから、下北沢の【パン焼き人※1なるお店のどれそれが美味しいと言う情報を仕入れ。ここは一つ探してみようと降り立った。

どっこい、うろ覚えの情報で駅周辺だと思っていたら、前出の友人に携帯連絡で再度調べてもらった結果駅からだいぶ郊外である事が判明。下北沢メインの改札を出て南口、駅前のマクドナルドとみずほ銀行のATMの前の通りを道なりに直進、茶沢通りに合流して三軒茶屋方面に向かってひたすら直進。小学校を左手に通り過ぎJOMOのガソリンスタンドがある十字路、梅が丘通りを右折。環七方面へ真直ぐ歩いてゆくと道の左側に面したその店が現れる。なんと言うか、下北と言うよりは小田急線の世田谷代田駅の方が近い。

店のつくりは、天井も高く、道路側はカフェスペースを挟んで一面ガラス張りで日の光が入って明るい。腰上の高さに並べられたパンは、その種類の多さもさることながら味、素材、製造工程が細かく区別されていて、とにかくどれを買うか迷ってしまう。で、嬉しい事に併設のカフェスペースにはパンバイキングなるメニューが用意されていて、常時10種類以上のパンのバイキングに珈琲or紅茶orオレンジジュースが付いて600円で食べれるのだ。また、こちらのカフェではランチやディナーの食事もできてその際もパンは食べ放題!

一旦、購入するパンを確保した後、試しにパンバイキングを体験。まだ夕食には早かったので、珈琲にパンのシンプルセット。ここで、黙々とパンを食う!飲み物がおかわりできないのでちと微妙だが、この試食で今度買うパンを探したり、気になったパンの味を確認してみた。出ていたパンは結構さっぱり系が多かっただが、名物のくすくすのパンは私の好きなモチモチ感としっとり感が素晴らしく、密度もギッシリしていて喰い応えがあり、かなり気に入った。その他、変わり種としてよもぎのトーストと馬鈴薯のパンが気に入った。

よもぎのトーストは、しっとりふわふわな生地に練り込まれたよもぎの香りと素朴な草っぽい味わいがパンの甘みと相まった和風のハーブブレッド。馬鈴薯のパンはアクセントに混ぜられたピンク胡椒が香ばしく、密度がある割にサラッとした味わいでバターとハムもあえば、ハチミツなんかも合う不思議な柔軟性を持ったパン。結局この試食を経て、今回は馬鈴薯のパンを追加で購入(このパンはなぜか量り売り)。

帰りは、位置を把握出来ているので大通りを避け住宅街を通り抜けて帰る事に。この辺の住宅街は私鉄沿線各駅から程よく離れていて、環七か以外はさほど大きい通りもなく、静かで緑も多い。特に、庭先にバラを植えている家が多く蔦の絡まる野バラや、白や深紅のバラはもちろん、鮮やかな黄色いバラの大輪が咲き誇る苗が玄関先に植えられているのは圧巻だった。そしてまたもや、ジャスミンの匂いは何処からとも無く漂って来ていた。


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