超雑務係まんの日記
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2003年06月10日(火) ヒデ(16)

ヒデの母親から呼ばれ、私はヒデの自宅へ向かった。

母親から様々な事を聞いている間、部屋からヒデは出てこなかった。
いわゆる「引きこもり」。
当時はこの言葉がなかったけど、ヒデは外出もままならない状態。


母親の気持も何となくわかるような気がしていて、
でもヒデの気持も何となくわかっているような気がしていて、
私は部屋の前まで行き、オロオロしている母親の前で
「ヒデ、俺だ。開けてくれ」

ガチャッとカギはすぐ開いた。


久しぶりにヒデと対面。

ヒデの目はまだ死んでなかった。
(大丈夫。まだまだコイツはイケる。)
こう思ったのを覚えてる。


「エライたくさん文学ばっかあるね〜」
初めて入る部屋には本棚に、けっこうな冊数の本が。

「先生、どうしたの?」
「あ、もう先生じゃないから(笑)」
「いや、俺には先生なんだよ」
「へー。ウレシイこと言ってくれるじゃん」


この時の会話は鮮明に覚えてる。


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