超雑務係まんの日記
DiaryINDEXpastwill


2003年08月17日(日) 神(1)

踏切りを待っていると、
たいてい君が隣にいた。

ちょこちょこと、ついてくる。
僕の後から一所懸命。
小柄な君は、歩幅が狭い。

当時ヘビースモーカーだった私は
歩きタバコをしょっちゅうしていた。

「やめなさい」

注意がよく入る。
少し怒っていた、危ないからね。



毎日酔ってフラフラだった僕を、君はとても大切にしてくれた。
そしてグダグダに狂った僕を、よく公園へ連れてった。

週に1回。
石神井公園で、
ベンチに座りながら君は僕にGodの教えを説いた。

神様じゃない「神」を君は語る。
信仰のない僕は、ずっと理解出来なかったけれど、
ココにいるのよ、って胸をいつも指さしていた。

その公園では、
段ボールに捨てられた子猫が2メートル間隔で存在する。
憂いながら君は、哀しい表情で、しっかりと現実を捉えていた。

落ちているドングリを家のハムスターに持って帰ろうとすると
「ダメよ」
君が言った。

夕暮れになると、僕の手を引っ張って帰宅する。
君との生活は精神を安定させるのに十分だった。

(続く)


まん |MAILHomePage

My追加