超雑務係まんの日記
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踏切りを待っていると、 たいてい君が隣にいた。
ちょこちょこと、ついてくる。 僕の後から一所懸命。 小柄な君は、歩幅が狭い。
当時ヘビースモーカーだった私は 歩きタバコをしょっちゅうしていた。
「やめなさい」
注意がよく入る。 少し怒っていた、危ないからね。
毎日酔ってフラフラだった僕を、君はとても大切にしてくれた。 そしてグダグダに狂った僕を、よく公園へ連れてった。
週に1回。 石神井公園で、 ベンチに座りながら君は僕にGodの教えを説いた。
神様じゃない「神」を君は語る。 信仰のない僕は、ずっと理解出来なかったけれど、 ココにいるのよ、って胸をいつも指さしていた。
その公園では、 段ボールに捨てられた子猫が2メートル間隔で存在する。 憂いながら君は、哀しい表情で、しっかりと現実を捉えていた。
落ちているドングリを家のハムスターに持って帰ろうとすると 「ダメよ」 君が言った。
夕暮れになると、僕の手を引っ張って帰宅する。 君との生活は精神を安定させるのに十分だった。
(続く)
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