ふと窓を見ると、世界が赤褐色に暮れているので、少し怯える。 さっきは黄砂の色だったんだけどな。 ・・・でも、どっちも僕は綺麗だと思う。 僕に孤独を思わせる。
昼過ぎに、友人から電話がかかってきた。 なんか嬉しい。 長電話して、それから買物に行って、それから切ない恋物語を読む。 夏になったなぁ、と思うのは、 昼間は閉めきった家の中の静寂に慣れていて、 でも夜になると、どの家も少し窓を開けて外の音を聞いている。 車の通る音や、隣の犬の鳴き声だとかが、窓に遮られずに届く。 そういうの、僕はけっこう好きだ。
友人が、体調を崩してるらしくて、あんまり元気じゃなかった。 元気になるといいな。 隣の隣の家が、昨日引っ越していった。 子供さんはまだ小学生で、学期の途中で大変だな、と思った。 僕がさみしそうにしていると、声を掛けてくれる人たちがいる。 僕は、思いやりがなくて、まだガキで深読みということができなくて、 全然、やさしくない人間だけど、 みんな親切にしてくれてありがとう。 独りでさみしがっててごめん。 独りだけで苦しんでてごめん。 何でもない悩みなら、相談する必要もないのはわかってるけど、 僕はまだ、他人を信用することができなくて、 その手をはねつけて勝手に自分だけでやろうとしてごめん。 信じられなくてごめん。 頼れなくてごめん。 あなたたちがそこにいてくれるあいだに、ちゃんと頼れるようになるから。 うん、 かならず。
ありがとう。
|