あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2002年09月16日(月) また会う日まで。



ええと、某所の即興詩に投稿したヤツ。
お題は宮前のんさんで、「Phantom pain(幻肢痛)」。
ちなみに、Phantom pain(幻肢痛)とは、四肢の切断手術の後、すでに無くなった部分の痛みを、術直後から数ヶ月間患者が訴える現象をいう。のだそうです。
なんとなく、わかる、ような。

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みえない
ひとが
わたしの肢をつねっているのだ

かみさまの
みえない
うでが
わたしの肢をつねっているのだ

ときおり
しびれさせたり
する
なんども
けんとうちがいのばしょを
わたしは さする



死んだ肢が どこかで
うめいて
いる
のだ

やまいにむしばまれた まま
くらいつくされるまでを
うめいて
いる
のだ



わたしの死んだ 肢が
みえないまま痛むのは
とぎれたはずのしんけいが
たちきられたはずのしろいほねが
まだ
ちのかよったはずのわたしの肢を
いなくなったきょうだいをおしむように
おしんで
わすれきれずに悼むのだ

にぶく
にぶく
あの肢をうしなってなお
生き続けるわたしをうらむのだ


そしてかみさまの
みえない
うでで
もうないわたしの肢を

つねっているのだ




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遠い場所で何かが痛むことはままある。
遠い時に、僕が失った何かが痛んでいるのかもしれない。
僕が切り捨ててきたものが痛んでいるのかもしれない。
カミサマ、
僕たちはいつも誰かに裁かれたいのかもしれない。
そしてこの痛みを忘れてしまいたいのかもしれない。
本当に手に入れられるモノは少なくて、僕たちはいつも後になってからそれに気付く。
だけど、
手が届いても、届かなくても、
そんなことは本当はどうだっていいのだ。
ただ僕たちは必死に手を伸ばして、
それが真実そこにあるモノなのかを確かめたいだけで。


あのひとがいることで僕がどんなに救われてるか、
あのひとは知らないだろうし、教えるつもりもあまりない。(苦笑
だけど僕にとって気高いもの、清いもののうちにあのひとがいて、たとえ錯覚でも僕をいつも幸福にする。




↑ただ心から、慈しむけれど。それでも足りない。
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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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