夜が
せまってくるね、とあのひとは言ったのでした 暗い校舎の中は次第に 射し入る西日にあかく 座り込んだ廊下にまで その色はひたひたと打ち寄せてくるのでした
ことばが 傷付けるためだけに あるのだとしても それでもなお僕はあのひとのことばを求めずにはいられず それだけがあのひとのかけらであるかのような 気がして すこし泣いたのです これは恋ではないと ようやく
あの日もし雨が 降っていたら と 思い出す あのあかさに出ていけなかったあの日のかなしみ うつくしいモノを見ては もう生きて行かれない気がしました 心を 押しつぶすのはことばではなくて ことばにならないモノ 情熱のような
慟哭のような。
それらかなしみのあかあかとした炎のような痛みを誰がいったいどのようにして救えたというのでしょう?
暗い道を 星を踏むように歩いて
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