2003年09月03日(水) |
見捨てられたあとの幻想。 |
嘘でしょう、本当は。
「絶対食べきれないって!」と言われながらも意地を張って頼んだケーキ盛り合わせを必死になって(実のところ半泣きで)体内に処分しながら脳の別なところで思っていた。 たとえば昔の僕がやったように誰かを忘れるためにあなたがここにいるのだとしても、僕はあなたを責められない。 なぜなら僕は無実な人間ではなくて罪人だから。 だからあなたに石を投げることなんかできない。 そして僕はきっと傷付かない。 ただ報いだと、あきらめるだけ。
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桐野夏生の文庫本2冊を続けて読み直してしまったら、無性に何もかもが空しくなってしまって、あのひとに電話をしようとしかけて思いとどまったり、を、くりかえす。 さっき洗った髪が冷房の風に冷えながら少しずつ乾く。 桐野夏生の本はいつもやるせなく重くて苦しい。 文庫本化されてない本も、いっそう重くて陰惨な雰囲気だった。 愛情とか幸福とか、そういったものを幻想だと切り捨ててしまうような世界観。 心がやわらぐことを断固拒絶するような。 何故だか今日はそんな本を読むとぐらぐらと揺らいでしまってやりきれない。 たぶん、疲れてるんです。 暑くて眠れない日が続いている。
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