あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2003年09月16日(火) 充電前。充電後。



朝はゆっくりと目を覚ます。
誰にも気付かれないうちに今日であることを確認する。
目覚ましはまだ鳴らないでいる。

誰にも気付かれないように家を出る。
気付かれないように戻って来れるように。

駅の改札口の前で壁にもたれて待っていると僕オリジナルの充電器がやって来る。
アドレナリン、だか、ドーパミン、だか知らないけど脳内にどっと放出されて幸福感。
手をつなぐ。ぱっと『充電中』の赤いランプ。
単純だね。
と言って笑う。
そう、ごく単純な条件反射で歩いていく。


くっきり晴れている。
あんまり気付いていなかったから指摘されて少し驚く。
日差しは暑いけど乾いた空気。夏みたいでもだんだん秋に近くなっている。
バスを待ちながら怒る。
怒りながら何でこんなことで怒ってるのかわからなくなる。
シアワセなのに。

妥協は必要です。
僕が悪くなくたって、悪者が見付からなくったって。

休日明けの今日は人が少なくてイイ。
山道を歩く。神社の裏に出る。
女の子たちが境内を掃いていて、あれはきっと巫女さんたちだ、と思いながら鳥居をくぐる。


ゆるさないよ。
という話を時々する。
でもきっと「2割」だの「1割」だの、って話をしてた頃よりずっと僕は臆病になっているはずで。
この充電器が駄目になってしまったら僕はずっと電池切れの状態で過ごさなくちゃいけない、って気がする。
充電器さんは笑うだろうけど。
ね。


手を離す。
『充電完了』の緑のランプが消える。
電話をするね、とひらひらと手を振りながら電車の外に吸い出される。
ホームから階段を上る列のしっぽにつきながら、電車を見送る。
また少しずつ、電池が減っていく気がする。




↑って言うのかな。(謎
My追加


 < 過去  INDEX  未来 >


周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加