あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2003年09月17日(水) 眠らないでと言って



遠くからピアノの声。
虫の音が低くなってきたねと思いながら。
僕が好きだったショパンのエチュード。
そういえば『雨だれ』弾くの好きだったな。とか。

『ユーモレスク』はやっぱりバイオリンで聞くのが好きだけど。ピアノで弾くのも好き。たららん、とずらして弾く和音がかわいい。
のんびりした主題だけじゃなくって中間部(?)がけっこう僕は好きなんですけど。
昔好きだった人が弾いてくれた曲でした。
ピアノの小さな椅子に背もたれに寄りかかるように後ろ向きに座って、あのヒトの指がひらひら動くのを見ていた。
優しい曲、なのに、その指の動きはとても揺るぎなくて切なかった。

 リクエストは?

と訊かれれば、

 ユーモレスク、

といつも、ピアノの傍らで僕はねだって。
やがて旋律が身体に染み渡るように、目を閉じてピアノだけを聞いていた。




↑こえ、ではなくて
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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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