無性にさみしい夜。 昨日から。 そんなに僕に希望を述べないでくださいな。僕はこれで精一杯なんだから。 善意の言葉、というやつが一番厄介だ。 僕はいつまでそれに抗えるだろう。
**
愛を込めて、 何処まで僕はそれを許せばいい 最後の日、落ちてくるのは指輪のはまったままのあのひとの指先 バウンドして、見えなくなる
嘘つきでも疲れることはある。 というより、嘘つきはなるべく本当のことを言おうとするから余計に疲れる。 そして何処までが本当なのかわからなくなってしまう。 嘘つきは意図的に嘘をついたりなんかしない。 嘘だと思ってつく嘘はすぐにばれてしまう。 嘘をつくときに限って目を覗き込んでくる友人がいた。わかりやすい。 けれど疑いは人に根差すものだから、嘘か否かの判定は難しい。 なのに決め付けるのは簡単だ。 決め付けられた瞬間から、決め付けられた側の内面で葛藤が始まる。
あきらめるのは難しい。 可能性は別の次元なのに、多元的な世界を認めてしまえば明日ははるか思惑の外。 だからまだ、会いたかったと言ってみる。 小さな声で。 ちいさな声で。
|