なんだかぐちゃぐちゃしている。 朝日がキレイに出ていたのにあれはどこへ行ったの?というきぶん。 毛布の中で丸くなっている。 あぁ、なんだか何もかも鬱陶しい。
*
録画しておいた「薔薇の名前」を見る。 この修道院にはいつかぜひ行ってみたい。 暗い、冷え冷えとした暗鬱の空気。 暗黒の中世の描写が秀逸だ。 生々しい血と穢れと聖なるもの、聖なるべきものの隣接。 「薔薇の名前」は小説で読むと難解すぎて途中で諦めたのだけど、映画で見ると筋が短縮されていて展開が速すぎるようにも思える。 修道士たちの生白く青ざめた肌。 女の汚れた、けれど血の通う肌。 ずいぶん前に一度見たきりだったので、全体的な陰鬱としたイメージしか憶えていなかった。 暴かれる背徳の生々しさ! 確か僕は小学生だったのだと思うのだけど、その強烈な印象だけ残っている。
*
風呂場の窓が細く開いていた。 雨の気配がずるりと忍び入ってきて、僕の目をふさぎ背にまとわりついて耳元でうめき声を上げる。 熱い湯につかりながら僕は背筋が凍る。 まだ冬です。 外はきっと黒く冷たいのでしょう。
|