あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2004年02月15日(日) 鬱日



なんだかぐちゃぐちゃしている。
朝日がキレイに出ていたのにあれはどこへ行ったの?というきぶん。
毛布の中で丸くなっている。
あぁ、なんだか何もかも鬱陶しい。

 *

録画しておいた「薔薇の名前」を見る。
この修道院にはいつかぜひ行ってみたい。
暗い、冷え冷えとした暗鬱の空気。
暗黒の中世の描写が秀逸だ。
生々しい血と穢れと聖なるもの、聖なるべきものの隣接。
「薔薇の名前」は小説で読むと難解すぎて途中で諦めたのだけど、映画で見ると筋が短縮されていて展開が速すぎるようにも思える。
修道士たちの生白く青ざめた肌。
女の汚れた、けれど血の通う肌。
ずいぶん前に一度見たきりだったので、全体的な陰鬱としたイメージしか憶えていなかった。
暴かれる背徳の生々しさ!
確か僕は小学生だったのだと思うのだけど、その強烈な印象だけ残っている。

 *

風呂場の窓が細く開いていた。
雨の気配がずるりと忍び入ってきて、僕の目をふさぎ背にまとわりついて耳元でうめき声を上げる。
熱い湯につかりながら僕は背筋が凍る。
まだ冬です。
外はきっと黒く冷たいのでしょう。





↑記憶。

My追加


 < 過去  INDEX  未来 >


周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加