あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2004年05月19日(水) 北海道に行きたいね。



 もうすぐまた6月が来る。


 *

雨の染み込んだ道に足跡は白く浮き上がって、束の間そこに残っている。
僕の前を誰が歩いて行ったのだろうと思う瞬間。
足跡はおぼろに丸くて、ドラちゃんかな、と何気に思ったり。

 *

カラーインクの足りないプリンタ。
外は鮮やかに5月初夏の瑞々しさなのに、僕のパソコンの打ち出すレトリックはしめやかなモノトーンに沈みこんでいる。
だけどそんなもの、人間が生きているか死んでいるかの違いくらいでしかなく、大したことじゃない。
例えば僕がときどき明日を忘れてしまうみたいに。

 *

激しい頭痛のする夜に、額に置かれた柔らかな手のひらを思い出す。
涙ばかり。
目を開けるとそこにあのひとがいて、心配げな瞳で僕がほろほろと涙を流すのを見下ろしている。
そして僕は瞼を下ろして、深く奈落へ沈んでいく。
力を抜いたその瞬間から、ハデースに連れ去られるペルセフォネーのように。
あるいは冥界へ引き戻されるエウリディケのように。
もう、
目覚めなくてもいいと思いながら。






↑でないと心が冷えてしまう。

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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