2004年05月19日(水) |
北海道に行きたいね。 |
もうすぐまた6月が来る。
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雨の染み込んだ道に足跡は白く浮き上がって、束の間そこに残っている。 僕の前を誰が歩いて行ったのだろうと思う瞬間。 足跡はおぼろに丸くて、ドラちゃんかな、と何気に思ったり。
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カラーインクの足りないプリンタ。 外は鮮やかに5月初夏の瑞々しさなのに、僕のパソコンの打ち出すレトリックはしめやかなモノトーンに沈みこんでいる。 だけどそんなもの、人間が生きているか死んでいるかの違いくらいでしかなく、大したことじゃない。 例えば僕がときどき明日を忘れてしまうみたいに。
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激しい頭痛のする夜に、額に置かれた柔らかな手のひらを思い出す。 涙ばかり。 目を開けるとそこにあのひとがいて、心配げな瞳で僕がほろほろと涙を流すのを見下ろしている。 そして僕は瞼を下ろして、深く奈落へ沈んでいく。 力を抜いたその瞬間から、ハデースに連れ去られるペルセフォネーのように。 あるいは冥界へ引き戻されるエウリディケのように。 もう、 目覚めなくてもいいと思いながら。
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