2004年06月04日(金) |
僕は笑うあなたを抱きしめたかった |
どこへ行っても異邦人という言葉が追いかけてくる。 早くどこかの土に埋まってしまおう。 あるいは故郷なんかなくしてしまおう。 故郷、なんて所詮は記憶の中に存在するもの。 早くあの熱を持って疼く記憶をなくしてしまおう。 夕闇にANNABELLEEを詠む声がする、 不意に息が苦しい
わらうのでした。
酔いの回った重い頭で僕は乾く目を開けている。
それでもあのひとはわらうのでした。
痛々しいものは何だろうと思う。
やせた頬をゆがめて、それでもあのひとはわらうのでした。
傷は生乾きが一番痛む。
僕の怒りに嘆きに、やせた頬をゆがめて、それでもあのひとはわらうのでした。
バイバイ、と詠ってみる。
そうやって簡単に僕の未練も懇願も引き剥がして、遠くだけ、見つめて行ってしまうのでした。
あなたのなめらかな頬のようなやさしさ。
遠くだけ、見つめて行ってしまうのでした。
眠りが甘いのなら僕は迷わない。
行ってしまうのでした。
そしてあなたも迷わなかった
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