あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2004年10月03日(日) 大理石の指



掛け違えたボタンのような日。
幸せでなかったわけではないけれど。
自分が何処に行けばいいのかわからない、というのは限りなく不安な感情だ。
それを感情と呼んでいいのかわからないけれど。
人ごみの中で立ち止まってしまう。
そうするともう、行き交うヒト誰の顔も全て見知った顔に見えてしまって、自分が世界中から無関心を貫かれているような錯覚に陥ってしまう。

陽の光が美しい日でした。
掛け違えたボタンのように。


 **


帰り道、銀色のトランクを買って帰る。
しかしトランクをビニールの袋に入れてくれるとは思ってなかった。
これまた銀色のリボンを掛けてくれて、にこやかで頼りなげに美人なお姉さんは僕に、巨大な白い袋を提げて帰れと言わんばかりに差し出す。
いや良いんだけど。
家まで歩いて5分もかからない場所だったし。

銀色のちゃちな鍵でトランクを開けてみる。
旅行に必要かもしれないものをとりあえずだんだか放り込む。
これでたぶん1週間は楽しみな日々で埋まるはず。
行きたい場所が増えた。
欲しいものも。



雨が降るといい。
部屋に降り込められてしまうくらいに強く。
世界の終わりみたいに空が暗ければいい。
その中にあっても花の香りが甘ったるく香っていればいい。
薄暗い部屋を照らすのは稲妻であればいい。

雨が降ると、いい。






↑そんな覚悟。

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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