あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2004年10月15日(金) 生まれながらに




今日は間違えた。
たくさん、

朝起きれば寒々しい空気に、
食卓に並んでいたのに食べられなかった冷たいトマトに、
郵便局に行けば書きあげていなかった振込用紙に、
家に忘れてきたバスの定期に、
1800円を払って入ったホラー映画に、
映画館で買った冷たいままのホットドッグに、
花屋で作ってもらった花束の出来の悪さに、
不意に友人に漏らしてしまった自分の愚痴に、
自分の無神経さに、
買ってしまった500mlの紙パックのカフェオレのクソ甘さに、
友人に渡し忘れた土産物に、
母親に作ってやったのに父親にだけ作るのを忘れた鍋焼きうどんに、

なんだかもう遣り切れなくなってベッドに丸まってみる。
僕が幸せになれないのは僕が幸せを望まないからだとしたら、それはなんだか優しい神の御技だ。
ひとりになると無性に淋しくなってそんなことを考えて。
階下から父親が不貞腐れながら作ったらしいインスタントラーメンの匂いが上がってくる。



明日は遠くへ行く。
海を渡って、遠くへ。
どうしようもなく美しいものが見たいのだ。
その美しいものの前にひとりぬかづいてみたいのだ。
だからさようなら、今日。
さようなら、明日。
僕は確かに沢山のモノを諦めた。それを悔しいとは思わない






↑祈れ。

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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