かるく、吐き気。
かぜをひいたみたいだ 、と何度も思う。
そういう、自分が疲れているのが実感できてしまうときはたいていグラスを割ってしまったりカバンを落としてしまったり、うっかりじゃ済まされないことをしてしまうので気をつける。 とりあえず早く帰りたいな、とか。 思ったりするけど。 でもなんとなく帰れない雰囲気で結局、最後までその場に留まっている。
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あいしてる、と言いながら目を瞑ってみる。
その言葉は誰にも聞こえないので。 僕は安堵の中で机にうつ伏せて眠りかける。
僕はたぶん、誰からも信用されてはいないので、どんなに真摯な目をしたところで信じてもらえるはずはない。 だけどあのひとは信じると、 僕がそう願えば必ず信じると、言ってくれたので 僕はただ、 眠りに落ちてゆきながら あいしてる、と繰り返す。 あのひとに、聞こえなくても、 今は聞こえなくても、 イイ。
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