あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2005年05月18日(水) 観覧車




雨の日。
昔好きだったひとと同じ髪の匂い。
どこかとても遠くで電話が3連音で鳴っている気がする。
灰色の空。
熱くて苦いだけのコーヒーで少しだけ暖まってみる。
外へ出ると、やんでしまった雨の名残りに、オレンジ色の傘に相合傘をしている場違いな人。
落ちてこない雨粒の代わりに、風がひどく冷たい。


ことばを、
失くしたみたいに頬を寄せてみる。
しあわせ、とかじゃなくても安堵を思う。
ここで閉じていく世界は甦らなくても、このままこの観覧車の中にずっと、閉じ込められたままで
あの高みまで何度も昇っては、降りてきて、
生き続けているのだって
僕は思うから。
だからたぶん
あの高みでばらまいたこの心の 目に見えない欠片だって
受け取る人などなくても
あのくるくる回るゴンドラのどれかの中で
見たい夢だけを見ているのだろうと
僕は思うから。





↑誰かに優しくされて、から。

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「 それからこの街を出て行きたかったの。」



明日も雨かな。


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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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