あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2005年05月28日(土) 観覧車、ひとり




ひとと別れてから
僕は本日2回目の観覧車にのぼり
ひとり青々とした空に招かれながら
西日の射す大阪平野を見る


バランスはこうやってとるものだ、と
教えられもせぬのに
僕は何故わかってしまうのだろうと
窓枠にもたれて目を閉じる
あたたかなひかり


観覧車は赤
急にぐらりと揺れて止まる
ゴンドラは大きくゆっくりと振り子のように揺れ
宙吊りにされた小宇宙は
束の間 大気の中に静止する
不意に重力が気にかかる


地球の引力に
大気の平和
嘘の蒼ざめた調和と
僕の中に限定されたはずの困惑
静止した小宇宙は 引き剥がされたはずの引力に
恐らく無意識に
媚びている


がくん と
再び揺れて
観覧車は廻り始める
静止してようやく自転する 愚かな宇宙を抱えたまま
僕は西日の中の地上へ
廻り続ける観覧車を
少し僕に似ていると
自嘲する







↑かた ん

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