名付けてください。 君だけの名前を。 その名で僕を呼んでください。 君だけの僕にしてください。 あるいは、 けっして名付けないでください。 君の知るどんな僕も、 一切の名で呼ばないでください。 心から、 僕はあなたの知る誰でもなく名で呼ぶことの無いたったひとりの人間で在りたい。 と。 それは僕のちいさな願いです
**
愛着は、気付かないもの。 知らず知らず、そして失われるときにようやく陽の目を見るもの。 さて。 たぶん淋しいのは馴れたものが隔てられる時期に居合わせたから。 少しだけ吐き気。 こういう、変に人間的なような自分には慣れてない。 こんな感情は要らない。 役に立たないから。 そうして「淋しくなります、」と言って眼を少しだけゆがめる
だけど気付かれるようなへまはしない、 と言ってみよう
|