2005年08月05日(金) |
だから僕は嵐と呼んで |
いつの間にか夏が来ていた。 肌を焼く強い光。気管の内側まで火照らせてゆく熱い空気。 時計がまだ少し前を指しているような朝。
クーラーが冷たくて、丸くなって膝を抱いた。 明日がもう少し遠かったらいいのに 笑わない。 どこか遠くで打ち上げ花火の音。 独りでは結局何ひとつ満足にやらない欠陥人間の僕は、同じように壊れた人を愛しました。 けれど。
夕立の音。遠雷。 鮮明なのはあの日の痛みだけ。 空に、手を伸ばして笑う僕と目を見交わすことのないヒトの背中。 何がこんなに、重いんだろ。 アイシテル愛してるアイシテイル 目を瞑るたび自分の声が響く。 欲しいものなんて結局は、その場しのぎの戯れのような願い事。 心の底から欲しいものはひとつだけ。 そういう、絶望。 あんまりたくさんありすぎて、笑うよりももう、目を伏せて食い止めるだけ。 本当はそういうの、バカバカシイって言うんでしょ?
ここにいてよ、ねぇ。 死ぬまでずっと。 僕のためだけにここにいて。 ここから離れないで、僕がいなくなっても、僕が遠くへ行っても、ここにずっといて。 そういう従順さだったらアイせるから。 ね。 アイシテル。
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