あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2005年09月25日(日) 曖昧な境界線





一日、黒いネクタイをつけたままでいる。


黒のネクタイは人をモノトーンに変えてしまう。
普段のネクタイが何か鮮やかなわけではないけれど。
黒一色のありふれた素朴な綿のネクタイ。
汗も涙もよく吸いそうな。


少し白い煙を吸いすぎた。
喉から乾いた咳が上がってきて、一度軽く、首元を緩めてから締め直す。
要るものと要らないものとの区別が、今ちょっと全体的についてない。
たぶん寒くなってきたからだ。
手触りがよくて僕を暖めるものなら何でも手放せなくなってしまう。
だけどそれはたぶん、間違ってはいないのだと思う。
同時にひどく間違った判断なのだと思う。
要るものと要らないものとの境界は、所詮ひどく曖昧なもの。
僕の中の何百通りもの判断基準が揺らげばそれだけで消え失せるもの。

何故か、
昨日からずっと泣いているような気がする。
涙なんか流さないけど。
頭の奥のほうの白い睡蓮の開く場所で何かが涌いている。

  何度も何度もその花びらはこぼれ








↑秋なんてまだ先だと思ってたのに。

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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