あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2005年12月08日(木) とうめいな波





 今は何も定義できない、





ちいさくなった蝋燭から火を移して、ひとは白い蝋燭を入れ替えた。
素朴におおきな背の高い蝋燭を、灯台のように見つめて
夜はゆっくりと、忍び足で終わっていく。

感情を、
動かしてはいけないと思えば涙が映画館の暗闇に溶けた。
不可解なのはこの、夜の安堵感だ。






何度も波が、よせてはかえすのを感じる。
何度も、
何度も、
打ち寄せては引いてゆき、
すこしずつ僕の中の何かを高める。
ただ一輪の、美しい名の花が咲いているのを感じる。
波に、
ひかれるように揺られたゆたいながら、花は浮かぶように咲いて、
咲いて。









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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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