あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2006年02月01日(水) きりうみ




郵便が届いている、という知らせに

家を出て坂を下り
橋を渡って郵便局へ歩く

雨の後
すっかり日も落ちた濡れたアスファルトから
ゆるやかに立ちのぼる霧の海

時折 ぱら ぱらと
小雨の名残
ぶるりと肌を粟立てて 雨は 嫌いだ と
夜の雨は嫌いだ

息を止めている



手紙 は
思っていたよりも随分と分厚く
それを小脇に抱えて
人通りも稀な 夜道を
歩いてゆく
息を忍ばせて 空が 落ちてこないように
あわあわとした夜を
わたってゆく

小さな包みは
表書きの文字それだけで あたたかく
せめてわたしを指し示す ここに
夜が
いよよ鮮やかに
ひらかれる












↑期待するべからず。

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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