あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2006年03月24日(金) 花の名前





こころにざわめくものをわすれてしまいたい





あめを
かぞえて
とけてつぶれてゆく雪だるまのことを考えている

 あんなに、必死になって、つくったのに

地球には
穴があいているんだ
希望をゆるさない 穴があいているんだ
そういう
ゆめみるものほど すぐに
消えていってしまうんだ

くちびるを噛んで離れていったくちびるのことを考えないようにしている

飲み
干してしまった たそがれ色のアルコールのことを
かぞえ きれなかった
あめのあとにひらいた色のない花のことを
おぼれてゆく雪だるまの目のことを くちのことを 腕の 帽子のことを
あしもとから
沈んでゆく しずかな
世界のことを

 目をとじると消えてしまう不在の多さにおびえているんだ、きみは

手のひらが
傘の柄をにぎりしめて
さしかける
あめが少しだけ止む
 まだ、咲かない花のことを
空いた壜に生けられた 名もない花のつぼみのいろをおぼえていないと言う

 うらぎったね、

あめににじんで
だるまは透けて
ちの色にじめんに流れて ゆくのを
ゆっくりと
地球に
しみこんでゆくのを
踏みわけた声でなぞる くりかえす なぞる
流れこむ穴の場所をおぼえておく

ここにあるのが、こころと 心臓と どこかとても こい に にたものです














↑それでも何度も、その花はあめのあとににじむようにひらくのだ

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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