おおげさな雨。 なんだかむしょうに、急にこみあげるものがあって 懸命にやりすごす、馬鹿げた想いだと、思えばそれだけで 世界はやわらかくくだけた
こころが、からだを支配する前に どこか遠くへ行ってしまわなければ と このこころの強さに怯えている
すこしずつ、ふかく 考えればすぐに 思考は存在を否定してしまうから せめてあわあわと 息もしないように せめて夢に逃げていかないように 目を あけている
ここにいたくない いたくない
ゆる ゆると うたう、ように 髪にさわって 頬に触れて 唇をなぞる、 目はもうひとを憶えているので たとえ目を閉じていてももう、その息遣いまでが まるで手の内にある みたいに
まちがえた、なんて もう思ってはいけないんだ。
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