ここから、立ち上がって このまま外へ出てしまえば 行く先はもう 行ってはいけない場所だけに限られてしまいそうで 僕の身体はあえて動きを止めている 君ひとりが何の故にこの焦りを孕ませるのかわからない、 わからない、 ただ
泣きそうなのを流すように ハーブの香る煙草を口にする 久しぶりの煙草は胸にくらくらと甘いので あまり深く味わうことのないように 唇の先だけで浅く 煙を含んでは吐いている
まるで嘘だらけの恋を囁くよう
餓えているように 白い刺激物を貪るあと 脳髄の裏側を嬲られるみたく 足元の世界は潤むようにゆがむ 増えてゆく動悸と やわらかな しかし絶え間ない戒めのあいだ ひとの面影は何度も僕をよぎり そのたびに歩けなくなる足をあまりに正直すぎると思う
凶暴な、 安らぎのない祈りや渇望や飢えの中において どこまでもあなたはまっすぐに私を指します
|