目的があれば生きられる、と書いた。
きっとそれは間違いじゃないけど。
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濡れた髪が少し重く、て額からかきあげる。 明日が明日じゃないように思うのは灰色な明日と明後日とその次との積み重ねが同じだけの重さでドミノ倒しのように続いていくから。
今日がぱたり、と倒れる。
明日もそれにつられてぱたり、と倒れる。
そんなふうに、かた、かた、かた、と毎日が終わっていくだけ。 その反射的にエンドレスな一定限度の反復を、重いととるか耐え難いととるか、あるいは退屈ととるかは視点の相違に過ぎない。
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指先に銀の輪、 一切合財捨ててしまおうかと思いながら、 感情が少しずつ瞬くのを惜しんでいる。 ここにまだ、心があるのかと、 それはまるで季節を惜しむみたいに。
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