少しでも遠くへ、行きたい。そう思うことはまだ多く強い願いで。だけど傍らに手を、求めなくなった。愛情で縛られるのも縛るのも、僕にはきっと、業が深い。どこへ行こうね、と問いかける。返事はない。遠いから、それは、とても。僕の求めるものはたぶんとても遠くにあるから。泣きそうになるのはきっと、僕がまだ思い切れないひとのせいではない。