2006年11月11日(土) |
まだここにいますただここにいます |
風の冷たく凍える夜空の下を帰る道々 このこころの 浅ましさに気付いて唇を噛む
ここへ ひとを ひきずりおろしたいと思うのは 自分が満ちていないせいだと わかっているのに 相も変わらず それを恋だと見紛う
たぶん 淋しいので恋をしたい と 思うことは間違っていないと思う けれど 淋しいことを恋だと見紛うことは もういい加減学習すべきことだと思う ので
時々不意に空しく虚しくなる
恋を このこころは どこに置いてきてしまったんでしょうね、なんて
あぁなんでこのひとはこんなにもやさしいのだろう と
思うたびに こころはただ呆気なく砕けて せかいは暗く収縮する 穏やかな笑みと言葉のあいだ
さがす ことばをさがす ことばを あのひとをとりもどすことばを このこころをいかすことばを あのひとの やさしくもないそんざいにかわることばを さがす
いつかこころがちぎれてしまえばいいとおもっていた
あのひとにあいたいとおもうたび あのひとをさがすたび あのひとをどうにかわすれたいとおもうたび 恋にこころが ひきずり起こされるたびに
我に返ったように ただ 単に思い出したように
もう生きてはゆけないとおもうのに
まだここにいます ただここにいます
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