あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2006年12月03日(日) ゆめもみずに





薬を飲んで眠りに就くことはあまりない。なんだか目覚められないような気がするからだ。
そもそも薬はあまり好きではない。
薬は本来なら感じるべき何かを捻じ曲げているように思うからだ。
熱も痛みも、もしそれが正当なものなら僕はそれに甘んじたい。もちろん耐え切れる範囲で、だけれど。

薬を飲むと身体から薬の匂いがする。
漢方は漢方のにおい。
鎮痛薬を飲めば鼻梁の奥で、石灰のような無機質な白い匂いがする。
それらの感触はどこか異常で生臭い。


忘れたいことがあると、ぼんやりと思う。
あなたを忘れる薬があれば、と。
いつか僕は言ったね。
巧妙に、押し隠して、いつの間にかこんなところまで来てしまったけれど、
そうでした、たとえ一瞬でも穏やかにアナタを忘れることができるのなら、僕はいつだって喜んで白い錠剤を口にしたよ。
いつも、いつのときも。


だから今日は、体温計を押し上げる体温はなくても、下げるべき熱がこの物憂さのどこかに篭もっているような気がするから、
量を減らした薬をこっそりと飲み下して、眠りに就こうと思う。

そんなところに平和はないのかもしれない。
そうかもしれないね。
だけど、

  アナタがここに、いたらいいのに。



まだ僕は泣くよ。








↑おまじないみたく。

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眠りたい、
夢も見ずに、
ただ深く、
深く。




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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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