あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2007年05月20日(日) 何処を切っても同じです





恋がこんなにままならぬものだとは、

なんてもう何回思ったのだか。
想いもしない相手から好かれることは怖気が走るほどイヤなことなのに、心は浅はかでただあのひとの方角へと羽ばたきたがってやまない。



青々と風が吹く。
恋がここに、生きているのに、死んだ振りをいつまで続けよう。いつになればそれが本当になるだろう。
泣きたくなるのは、いとおしさに微笑む相手がいないからだ。
誤魔化さずに言えば、ただ僕は忘れたい。
想い続けていれば心が保たない。
様々な、様々な取るに足らないことなんかいくらでも忘れるから、それとともにこの焦燥も狂おしさも一緒に流れていけばいい。

第一、

   そう考えると僕は嗤わざるをえない。

第一、思い出せるほどの思い出なんか此処には何も無いじゃないか、と。

なんだか呪いみたいだ。
口を開けば愛しているとだけ繰り返し、見上げる世界は喪失感に切り刻まれ、捜し求める面影だけがいつもそこに無い。
なんて甘美な。
なんて貞淑な恋だろう。
おそろしくて馬鹿らしくて指先まで震えてしまう。


ひとの名前を思い出す。
もう二度と呼ぶことの叶わない名前。そう決めた名だ。声にしようと思えばそれだけで痛む。
夢にも訪れないあのひとの、もう顔も忘れた。
早く名まで忘れないだろうか。


昔は声にできないことが苦しくて詩を書いた。
今ではもう言葉にすることすら恐ろしくてならない。
それよりは忘れて日々を無難に生きる方が楽ではないかと、堕した精神が此処におめおめと生きている。




そうした心の半面で、僕はこの痛みが愛しくてならない。
そうでなければ、
この怠惰な日々を生きていけないではないか。
その心を引き裂くような、押し潰すような痛みでもなければ。









↑この心の表層を

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―――just mumbling in circles all day long


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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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