あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2007年06月10日(日) 切ないというのではないけれど





  恋をする、恋を
  心を押しつぶすように、切り裂くように、心を
  もう他のどんな思いも心を揺らさぬように
  恋をする
  君の声は最期までここに響く





 *

髪がまた少し伸びてきている。
あのひとが触ったことのある髪だ。とか、そういうフィクションだか現実だったのだかもわからなくなってしまったようなことを思う。
少しずつ心が崩れて壊れていく。
―――もうそこに居ないでほしい。そんなことをよく思う。
心が、壊れても元の形を知る者がいないのならまだ耐えられる。自分の感覚だけならまだ騙し隠しとおすこともできる。

あのひとが、いなければ、

その後に何と続ければいいのかわからない


 *

あたたかなものが欲しくなってコンビニへ行く。
もうこんな季節では温熱器の中はずいぶんと淋しくなってしまっていて、とりあえず暖を取るためだけのペットボトルをひとつ、手に取る。
店を出て腕に抱え込むと、むき出しの肌にひりつくように熱い。
肌にも猫舌のようなものがあるのなら、たぶん僕はソレだ。

温もりは外気に少しずつ冷えて、家に帰り着く頃には心許ない温かさになる。
人肌に近付く熱はどことなくあやふやで落ち着かない。
切ないというのではないけれど、と久しぶりに見る星の空を仰いでみる。

ここに僕がいなくてもかまわない。
だけど遠くにあのひとがいると思えばざわざわと何かが騒ぐ。
逃れたいような、その足元まで走ってゆきたいような。
ひとの欠片を目にすれば心が騒ぐ。
あぁまだここに、要らないものがまだ残っていると思えばとてもとても煩わしい








↑ひとのことだけ、失くしてしまえると思っていたわけじゃなくても

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  恋をする、恋を
  心を消すように恋を
  心を殺すように恋を する
  いつかこころがこわれるように


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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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