あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2007年10月05日(金) おいすがる





その日この秋初めての温かな烏龍茶を買った



友人の詩人を見に行ったかえりみち
どこまで行くのかな、と 車の赤いテールランプを見送り
思いの外にぎやかな深夜のコンビニへ入って
新発売のお菓子の前で
人が言った言葉を耳元に思い返す

しまった追いつかれてしまう

足を速めてコンビニから出てきたところで
ひとが触れた指先がふるえていることに
気付く



ことばは

ひつようではありません

そう言った詩人は穏やかに強い笑みで
言葉が此処にあると泣いたひとを否定してみせた
僕は黙ってそれを見ていた
ひとがうちのめされるのを
僕はそれを見ていた



ひとのことばが
背後から影のように追ってくるのを 恐れて
暗い道をひたひたと歩く
空は
あの幼い日に見た満天の星
絶え入るような痛みの中に降り注ぐひかり








↑恋は思案の外

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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