あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2007年12月22日(土) 散歩者




朝。
雨の音で目が覚める。
出掛けるつもりもなかったけれど、少し憂欝になる。

少し熱っぽい頭を抱えながら散歩に出る。
寒さは雨に若干ゆるんで、手袋は要らない程度の気温。
てくてくと、人影も薄い道を傘を差しながら迷うように歩いていく。

住宅街の中にぽつんとあるコンビニに入り、嗄れた喉を潤すものを少し多めに買って、また雨の中をゆっくりと歩いて帰路につく。

 この樹は桜、桜、

そんなふうに思いながら、春になれば花に彩られる道を辿る。

 桜、ミモザ、ハナミズキ、桜、レンギョウ、雪柳、桜、桜、桜、

うつくしいものを見たい、と思うのは当たり前だ。
うつくしいものを見せたい、と思うのも。

何処へでも遠くへ行ける。
それはうつくしいものを見せたい相手がいないからだ。
いてもいないのと同じだから。
今の僕はこれら花の樹を見上げて春を想う。それはこれを見せたかった人がいたからだ。
見せられなかったことを惜しむ気持ちがあるからだ。

 あぁ何処へでも遠くへ行こう、何処にいても君は遠く儚い









↑言い訳じみて。

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