2002年12月27日(金) |
東野圭吾『悪意』★★★☆☆ |
 『悪意』 東野 圭吾 講談社 (2001/01)
人気作家が殺され、第一発見者の友人(かけだし作家)が手記を書く。 その手記と、加賀恭一郎刑事の記録、回想が各章ごとにわかれている。
それを読む度に「犯人はこいつだろー」とか「この人はこんなヤツ」とかいう思い込みをゆさぶられたり、ひっくりかえされたり。
えええっ、ちがうの? でも確かに、それもありか…。
読み終えて、なんだか腑に落ちないというか、恐ろしいというか…。 なんともすっきりしないものが残った。 つまらなかった、ではなく、重いものを授けられたような。
だってね、動機が、ひどいもの。すごいもの。 でも、わかるもの。 わかってしまう自分が嫌だ。
文庫の表紙の装丁がまたよくできてる。 にじんだ、「悪意」。そう、悪意って、こんな感じ。
重く、読みごたえある一冊でした。
『悪意』
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