2003年01月20日(月) |
日本推理作家協会編『もうすぐ犯行記念日』★★★★☆ |
 『もうすぐ犯行記念日―ミステリー傑作選30』 日本推理作家協会 講談社 (1996/04)
ミステリー傑作選。 今をときめく?あの人やあの人の作品が一度に読めちゃうオトクな一冊。
印象に残ったのは、 『六月は名ばかりの月』宮部みゆき おじいちゃんと孫の古本屋の話。このシリーズも好きなのだ。 『細長い窓』阿刀田高 老いらくの恋。といっちゃ失礼か。それが散ったのではなく散らされた事実に出会ってしまったヒロインの切なさにきゅんとなった。 『優しい水』若竹七海 この人のお話はこれが初めて。他のも読んでみようと思った。 オチが読めるけど、すごく感情移入してしまってかわいそうでかわいそうで、死なないで実は夢でしたーなんて話に書き換えてしまいたい気持ちになった。 新井素子さんの小説っぽいお話。
『ノックを待ちながら』井上夢人 これが、一番面白かった。うん。 借金苦から逃げるための偽装殺人。自分の身代わりを用意したところで、一緒に逃げるはずの妻が、実は自分も消そうとしてたりして…と疑う男の苦悩。 あの粉末は、毒なのか、砂糖なのか。 ああ気になる。 自分ならば…砂糖だけど、毒を入れる妻の気持ちもわからなくはない。
ちょっと息抜きに、久しぶりにともだちに会うような、こういう読書もいいもんですね。
『もうすぐ犯行記念日―ミステリー傑作選30』
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