2003年03月09日(日) |
東野圭吾『学生街の殺人』講談社文庫★★☆☆☆ |
 『学生街の殺人』 東野 圭吾 講談社 (1990/07)
さびれた学生街のビリヤード場で働く主人公。 脱サラした松木が殺された。不思議なメッセージを残して。 第二の殺人が起こる。それは主人公の恋人だった。 事件の犯人は、真相は。そして、進むべき道を見つけられない主人公は、それを見つけることができるのか。
長編小説。 といってもこの人のものはいつもこれくらいかな? おもしろくてどんどん読んでしまうので、長いとは思えない。 しかしこの本はゆっくり読みました。 他のを併行して読んでて、ついつい後回しに。 なので自分の中ではたまらなくおもしろい、先が気になる話ではなかったということでしょう。
そうだね。 推理ものよりも、『変身』とか『秘密』みたいなのが好き。私はね。 松岡圭佑さんだと『煙』。 三浦綾子さんだと『母』。 もういいって。
てことで、中断すると、登場人物が多くてわけがわからなかった。 でも、ぐぐっと途中から面白くなるのがこの人のお話。比較的あっさり犯人がわかる。でも、本のまだまだ途中。まだずいぶんと残ってる。 絶対に、裏があってくるくるひっくり返る! この人のは、それが面白い! で、読み進めるうちに、真相があきらかになるのです。 読み終えて気が重くなるような、かなしくなるような、ほっとするような、結末。 主人公がひとつ成長したように感じられるのがいい。 『放課後』『卒業』も読まなくちゃ。
『学生街の殺人』
|