2003年03月26日(水) |
宮部みゆき『あかんべえ』PHP★★★★☆ |
 『あかんべえ』 宮部 みゆき PHP研究所 (2002/03/16)
月刊誌『歴史街道』に連載されていたものに加筆、訂正を加えたもの。 これ、父親にもらって数回だけ読んだきりになっていたので、まとめて最後まで読めて、大変嬉しい。
うちの相方には大変不評な宮部みゆきさんだが、私はかなり大好きで、とりわけこういった時代ものはさらに好き。 見てきたような、イキイキとした描写がいい。
で、このお話。 料理屋の娘おりんは、越してきた屋敷で亡者(お化けさん)に出会う。 幼女のお梅。侍の玄之介。色っぽいおみつ。 最初のお客をもてなす最中に部屋の中を暴れる刀。 おりんには刀をふりまわす「おどろ髪」の姿が見える。
亡者たちはなぜいるのか。恐ろしい虐殺の過去を持った寺の住職の行方は。 その謎をとき、亡者たちが行くべき(成仏)ところに行けるよう、行動を起こすおりん。 謎はとけるのか。料理屋ふねやは大丈夫なのか。 お化けさんが見える人、見えない人は何が違うのか。 見えると言うことはどういうことなのか。
難しく考えなくても、楽しめるお話。 キャラクターがいきいきしていて、楽しい。 そして、悲しくせつなくなるポイントもおさえてあって、コース料理食べた感じかな。
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