2003年03月28日(金) |
モーリス・センダックさく・え/わきあきこやく『まどのそとのそのまたむこう』福音館書店★★★★☆ |

『まどのそとのそのまたむこう』 モーリス・センダック わき あきこ 福音館書店 (1983/01)
素敵な絵本。 そんじょそこらの絵画集よりいいかも。 外(装丁、絵、大きさ)も、中(おはなし、その世界)も。 紹介してくれた福音館書店、ありがとー!って感じ。
子どもに読み聞かせして、私の方が興奮してしまった。 子ども2歳11ヶ月の「もっかい!」コールも嬉しかったりして。 でもなぜか「自分で読む」と言われてしまい、「まどのそとの…むこう!」とパラパラとめくられた。読ませてくれぇ。
絵の色合いも、緻密なところも、表情も、構図も、最初のひっぱり方も(お話が始まるまでが長い。どきどきしちゃう)、たまらなくいい! あやしげなオバケ、モグリンじゃなかったゴブリンたちがこわそーで、実は…ってのがまたいい。
パパは船でおでかけ、ママはあずまやで憂鬱そうに沈んでいる。 そしておねえちゃんのアイダ(6、7歳?)は妹であるあかちゃんのお守。 あかちゃんの方を見ないでホルンをふいてあげてたら、あかちゃんがゴブリンにさらわれた! かわりにおいてかれた氷の人形を抱えて「だいすき」とやったら解けてしまってアイダは激怒! さあ救いに行くぞ!まどわくをこえて、『まどのそとのそのまたむこう』へ。
さらわれてく妹がちょーど1歳になったばかりのうちの娘に、似てること似てること。なので余計にどきどきしながら楽しめた。 ゴブリンがかわりにおいていった人形ってのが、またかわいくないのって。
でもなんだろう、絵がすごいのよ。 あかちゃんのやわらかさ、もちもちとしたふともも、ぷりっとしたおけつ、アイダのふくらはぎ、母親のダルい様子、妹の表情、そういった描写がとにかく美しい。 これぞ「絵」「本」。
購入を決めて、価格を見たら、先日の「泣いた赤おに」と同じく2000円。うっ、高い…と思ったが、この「絵」だもの。安いくらいだ。(と思おう)
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