| 2003年04月06日(日) |
東野圭吾『白夜行』★★★☆☆ |
 『白夜行』 東野 圭吾 集英社 (2002/05)
長い。 そして痛い。
長くて痛い小説です。 こういうの、スキです。
上段下段に別れていて506ページ! 相方に1週間かかるといわれましたが半日で読んでしまいました。夜中になっても止まらなくて、朝刊を配達するバイクの音が聞こえた時はヤバイ、と思ったけれどやっぱり止まらない。止めたのは娘の夜泣きでした。 ラスト10ページを残して寝たので、夢の中でつづきを考えてしまって疲れた。 ふたりくらい余計にはめられて殺されたような。
ずいぶん力を入れて書かはったな、というのが感想。 東野圭吾さんてもっとさくさく読める文章、内容が多かったと思うのだけど、これは微にいり細にいり、懇切丁寧に、でも無駄はなく書かれてる、と思う。 次々と登場人物が出てきて、ついていけるかどうか心配になった。(苦手なのだ)
東野圭吾を評価し宮部みゆきをけちょんけちょんにいう相方は、これも面白かったそうだ。 これがいけるなら『模倣犯』もいけるって!と思うのだけどどうでしょう。 ちなみに私は『模倣犯』は途中まではめちゃめちゃ面白かった。後半で力つきたのか?時間がなかったのか?という印象を持ったのは「深さ」が感じられなくなったから。中居くんのイメージがつく前に読めたのはよかった。
孤高のふたり。 彼等の人生に太陽がさしたことはなく、白夜を行くかのよう。 自分(たち)で自分を守るために、生きるために。 よりよく生きる、とかいうキレイ事ではなく自分の現在を生き残るため。 そのための手段は選ばない。選ばない方が効果的でもあるし。
で、あんなひどいこと、こんな痛ましいことを画策、実行していく。 証拠は残さず。 それを追う探偵、刑事。違和感、危機感を感じた身近な男性。 その起因となる不幸な事情が最後に明かされ、痛さの極地でストーリーは幕を下ろす。
汚い大人は許せない。でもだからといってやっちゃいけないことはいけないよ…。でも「復讐」なんだよね。目には目を以上のことはしてないとも思う。
さーってっ、次は何を読もうかな。
『白夜行』
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