| 2003年04月09日(水) |
嵐山光三郎『活字の人さらい』★★☆☆☆ |
 『活字の人さらい―愛書少年不思議譚』 嵐山 光三郎 筑摩書房 (2002/07)
帯より。 『本邦初の冒険読書小説! ルパンとホームズとベルヌのような事件が僕の身にふりかかるなんて!』
昭和20年代の終わり、東京の国立。 愛読少年裕太はテレビより映画より、読書に耽溺していた。 ものすごい読書欲、膨らみまくる妄想。 そんな裕太の家に、あやしげな父の旧友ジョンが訪ねてきてから起こる事件の数々。
この裕太の読書っぷり、妄想っぷりには敬服。 もうワタシなんて、正直こんなタイトルの日記をつける資格はまったくもってないとあらためて反省させられました。 まあワタシは読書中毒というより活字中毒だからちと違うか。
それはすなわちこの作者の読書っぷり、妄想っぷりのすごさでもあるわけで。 解説で椎名誠さんもびっくらこいてました。
少年向けの小説なのかな?昔少年だった今大人向けなのかな? すこーし退屈しながら読みましたが、ラストのあたりでぴりっときいたどんでんがえし。 読み終えてなお、残る余韻。 読み切ってよかったと思えた。
私も活字にさらわれて非日常の時間を楽しみたい。これまでも、これからも。
『活字の人さらい―愛書少年不思議譚』
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